ドラマ「Dr.アシュラ」第7話 感想と考察 | 命の選択に迫られる医師の葛藤

ストーリー

2025年5月28日に放送されたドラマ「Dr.アシュラ」第7話では、主人公・杏野朱羅(松本若菜)が直面する「命を助けること」の是非が深く描かれました。

働き方改革が叫ばれる中、休むことを知らない朱羅の姿勢に周囲が懸念を抱きつつも、彼女の信念が揺らぐ瞬間が訪れます。

特に、末期がん患者との衝突と、その妻を救う場面では、生きるとは何か、医者の使命とは何かを考えさせられました。

一部、ネタバレに注意ください。

ドラマ「Dr.アシュラ」公式HP:

公式HPで発表されたあらすじ

■第7話あらすじ

救命医・朱羅に休むという概念はない。
休むのは救急外来の休憩室で仮眠をとる時ぐらいだ。

その様子を見て看護師長の三宝加代子(阿南敦子)は、
梵天太郎(荒川良々)や六道ナオミ(小雪)ら、救急科の
医師の数も増えたので休むように促すも朱羅は聞く耳を持たない。

そんな朱羅に救急科科長・大黒修二(田辺誠一)は「休んでくれ!」と懇願。
昨年から医者にも働き方改革が施行されたため、院長・多聞から休ませるよう指示されたのだ。
だが、朱羅は「興味ない」と休憩室から出て行ってしまう。

一方、初療室では薬師寺保(佐野晶哉)と梵天が患者の治療を始めていた。
あたふたする2人を見て看護師の九曜沙苗(結城モエ)は
「やっぱアシュラ先生いないと調子出ないね」とつい口をつく。
するとそこに朱羅がやってくる。朱羅は保たちに的確な指示を出して
患者の治療に当たろうとするが、多聞に遮られ「帰って休め」と言われてしまう。
多聞は今回の患者は保でも治療できることを確認し、朱羅を初療室から追い出す。

その日の夜、働ける喜びで機嫌良く現場に戻ってくる朱羅。
すると、朱羅の「…来る」という予知に続いてホットラインが鳴る。
運び込まれたのはマンションの3階から転落した60代男性。
妻の話によると、ベランダで足を滑らせたかもしれないとのことだが、少し様子が変で…。

《この公式のあらすじを基に、以降は第7話の感想・考察をしていきます》

命を救うべきか、尊厳を守るべきか──朱羅の苦悩

第7話の中心に描かれたのは、救命医・杏野朱羅が直面する「命の選択」だった。

彼女が絶対的に信じる「命を助ける」という行為が、患者本人にとっては“余計なお世話”とされてしまう場面は、視聴者にも強い衝撃を与えた。

末期がんで最期を受け入れていた橋本という患者は、蘇生によって命を救われながらも、「なぜ助けた」と怒りをぶつけた。

朱羅は自らの医師としての使命感から全力で救命にあたったが、その行動が患者本人の尊厳を損なったのかという葛藤に直面する。

視聴者の中にも、「助けること=善」とは限らないという現実に戸惑いを覚えた人も多かったはずだ。

末期がん患者・橋本の「治療拒否」と朱羅の信念の対立

搬送されて来た橋本悟(渡辺哲)は、これを自らの最期と理解し、治療の継続を拒否していた。

それに対し朱羅は、「命を救うことが自分の仕事」と主張し、蘇生措置を強行する。

この対立は、医師の信念と患者の自己決定権という医療現場で避けられない問題を浮き彫りにした。

「命を助ける場だから」…朱羅の信念と周囲の現実的な声

朱羅の行動に対し、多聞院長や大黒科長は「一歩引くことを覚えろ」と忠告する。

それでも朱羅は「ここは命を助ける場所」と信じて疑わず、自らの信念を貫く。

この姿勢は決して間違っていないが、現代の医療では時に“引く勇気”も必要とされる。

「地獄に落ちろ」と言われても…朱羅が貫く医師としての覚悟

患者に怒鳴られ、「希望を奪った」とまで言われた朱羅は、何も言い返さずに病室を去る。

彼女にとって最も重要なのは、自らの信念を貫くことだった。

しかし視聴者の目には、その姿が孤独で、そして痛々しく映ったかもしれない。

橋本の怒りと、妻・弥生の謝罪で明かされる患者の過去

後に妻・弥生(水木薫)から語られた橋本の過去が、視聴者の理解を深める。

橋本はかつて多くの患者の最期を見送ってきた緩和ケアの医師だった。

その彼が「もう誰も救えない」と感じ、自らも最期を受け入れようとしていたことが明かされた。

「あなたは医者でしょう」朱羅の言葉が橋本に与えた影響

朱羅は、医師としてのアイデンティティを失おうとしていた橋本に「生きがいを捨てないで」と語る。

その一言が、彼の心に深く刺さり、後の決断につながる伏線となった。

弥生の急変で訪れる「もう一つの修羅場」

物語は後半、橋本の妻・弥生が救急搬送されたことで緊迫感を増していく。

大量出血による状態の中、朱羅が再び立ち向かう姿が描かれる。

そこには、患者との信頼や感情が複雑に絡み合った「もう一つの修羅場」があった。

止まらぬ出血、迫る最期の影──朱羅が見せた“奇跡”の処置

視野を閉じ、感覚だけで出血点を探す朱羅の姿は、まるで神がかったようだった。

その“奇跡”によって弥生の命は救われ、視聴者もまた朱羅の底知れぬ医療技術に圧倒された。

橋本の懇願と本音「もっと生きたかったんだ」

妻の命が危機にさらされたことで、橋本は本音を叫ぶ。

「お前ともっと生きていたかった」――その言葉が、彼の心の奥底にある“生きたい”という感情を露わにした。

医師としての再出発──橋本が決意した理由とは

命を救ってもらった恩人である朱羅に、橋本はついに頭を下げる。

そして「もう一度、医師として生きる」と再起を誓う姿には、多くの視聴者が胸を打たれた。

朱羅の信念が、またひとつ命と未来を繋げた瞬間だった。

「地獄に片足を突っ込んでも救いたい」朱羅の影響力

朱羅の医師としてのあり方は、橋本にも影響を与えた。

「自分も片足を地獄に突っ込んででも、患者に寄り添いたい」――そう語る橋本の姿が印象的だった。

朱羅の信念が、再び命をつなぐ力となる

朱羅の「命を絶対にあきらめない」という姿勢は、患者だけでなく医師仲間にとっても希望となっている。

それは単なる医療技術だけではない、人間としての強さと優しさが根底にあるからだ。

医者と患者との葛藤がもう一つ

このエピソードには
六道ナオミ(小雪)も同様に
患者との苦悩が描かれた…

私が行くと朱羅を制止したナオミ

もう一人、睡眠薬過剰内服による自さつ未遂で
意識低下している少女・小松知香(椛島光)
が運ばれてきた。

朱羅が対応しようとするが

橋本からの理不尽なクレームのこともあり
彼女があきらかに疲労している
様子をくみ取ったナオミが

「私が行くわ…あなた少し休んだほうがいい」と
朱羅を制止した。

朱羅たちの姿からナオミにも変化が

ナオミと大黒が
オペを対応し、命を取り留めるが、

今度は小松が
「私は生きていたくない…なぜ助けたの?」と言い出す。
ナオミはこれまで助けた患者からそんな
言葉をかけられたことがなかったので、動揺する。

ナオミと大黒は
手を組んで小松の病室を訪れて
小松を救おうとする。

小松は身体は治っても、心が病んだままだった。

そこに小松のバイト先の
同僚が着替えをもってきた。
その女性にナオミは話を聞く。

小松知香は
「助けて」と言いたいはずだが、
正直な事を言って拒否されることが怖いのではと
その同僚がいい、
小松知香は
「他人なんてどうせ裏切るから」という警戒心が強いのでは
という意見を聞いた。

ナオミは小松知香が強い自己否定に陥っていることを悟る。

後日、小松知香が病室を抜け出した!

と騒ぎになり医師と看護師たちが
手分けして彼女を探し回る…

病室を抜け出した小松は
病院の屋上にいた
柵を乗り越えようとする
小松を見つけたナオミは彼女を引き止める。

「誰も私の気持ちなんてわかってくれない…じゃましないで」
と知香は泣きながら言う。

そんな彼女の弱いメンタルを
ナオミは自分なりのやり方でサポートすることを決意

ナオミは患者ともっと向き合うことにした。
「あなたには生きていてほしい…」
これまで時間が過ぎたらすぐに帰っていたが、
ナオミは時間外でも患者の話を聞くことにした。

ドラマ「Dr.アシュラ」第7話の感想と考察まとめ

第7話では、命の尊厳と救命という2つのテーマが深く交差し、多くの視聴者に問いを投げかけた。

朱羅の信念が貫かれる姿と、それが人を変える力になっていく過程は非常に感動的だった。

次回は、朱羅の過去により深く迫る展開が予告されており、今後の展開からも目が離せない。

この記事のまとめ

  • 命を助けることの正義と葛藤
  • 患者の意思と医師の使命の衝突
  • 朱羅の信念が他人の生き方を動かす
  • 末期がん患者の心の叫びと医師の覚悟
  • 妻の救命で明かされる本心と再生の道
  • 「助けたい」一心が生む奇跡の瞬間
  • 朱羅の強さと孤独が際立つ展開
  • 医師・橋本の再出発の決意
タイトルとURLをコピーしました